畑で小麦を育てよう

自給ネットが始まった1999年に会員有志が集まって行われた畑で小麦を育てよう。厚田村の長さんの一・五ファームにて年間を通して小麦をまるごと楽しむイベントが行なわれました。5月に小麦を播種し、8月には刈り取り・はさ掛け、10月には収穫した小麦で作ったパンを食べるという内容でした。自分たちで汗を流して育てた愛着のある小麦を頂くことで、地場で取れた物のおいしさ・大切さを体と心で感じるイベントとなりました。

活動内容

「種まき」

厚田村 1.5ファーム 長 良幸

種まき4日雨が続いた5月8日、 夕方畑に行くと、 明日は畑にトラクターが使える程に乾いている。 5月9日、 青空が広がっている。 10時頃から参加者が集まりはじめ、 集合時間の時には全員が揃う。 用意したのは1反(300坪)の畑。 刈り取りのことを考え筋蒔きにする。
参加者は名(大人31人子供16人)。 それを5つのグループに分け、 ぼかし・鶏糞を混ぜた肥料を撒く人、 種を播く人、 土をかける人とそれぞれ分担をして作業に取り掛かる。 1グループ34mのウネ、 二十条がノルマ。 ヨチヨチ歩きの子供も加わったが昼になっても作業はまだ続く。
12時40分から昼食。 広谷製パンさんの道産小麦のサンドイッチがつまった特性ランチボックスと厚田村菊地牧場の牛乳、 青空の下の農作業ですいたおなかにたくさん入る。 1時20分から荒川伸夫氏(シロクマ北海食品)、 伏島信治氏(北海道21世紀総合研究所)、 佐久間良博氏(江別製粉)による小麦トークが始まる。 道産小麦のよさや、 道産の農産物が道外で高い評価を得ているなどの話や食の自給ネットワークでは生産者、 流通、 消費者など各分野の人がおり、 こういう場所で一堂に会して話しあえるのが強みである、 などの話しがされ、 参加者からも意見が出された。 山彦が早く帰ってくると早く実るとの参加者からの発言がありみんなで山に向かって 「ヤッホー」 山彦がすぐに 「ヤッホー」 と戻った。 3時、 すべてのスケジュールを終え参加者は再開を約束して帰途に就いた。
刈り取りは8月8日(日)が予定日。 良い天気になりますように。 みんなで祈りましょう。

「刈り取り」小麦収穫祭

(有)ZERO 菊地 尊治

刈り取り8月8日、 私達の植えた小麦の刈り取りを行ないました。
会長の長さんの畑、 1反を借りて育った小麦は予定の半分くらいでしたが、 無事刈り取りを済ませ日干し乾燥の状態に入りました。
立ちくらみするような暑い日、 海水浴客のつくる渋滞をくぐりぬけ、 午前10時過ぎに約30名の人が、 長さんの1・5ファームに集合しました。 豊かな黄金の麦の絨毯を期待していた人は少しがっかり。 小麦の生育状況は場所によって違い、 全く育っていないところもありました。 種まきが大雨の直後であったこと、 ハトが種を食べた事、 雑草が多かった事、 が原因と長さんから説明を受けました。
気を取り直し、 刈る人、 束ねる人、 運んで日干しする人、 という分担で作業を進めました。 和気あいあい、 汗だくの作業も昼過ぎには完了しました。 日干しの竿に積まれた小麦を見て、 「オー、 格好付いたねー」。 収穫小麦を背景に記念写真を撮りました。 青い空、 緑の山々に囲まれて、 バーベキューの昼食。 長さん特製のビール、 シロクマ北海道食品荒川氏差し入れの100%道産小麦のパン、 自給ネット事務局からはかぼちゃ接木しないスイカの差し入れもあって野趣とグルメな昼食となりました。 昼食後は談話会。 野菜の価格や品質はどうやって決まるのか、 産直品とスーパーの野菜の品質の違い、 食糧危機は来るか等々、 思い思いの話しが続きました。 次回、 自作小麦によるパンの試食会が行われますが、 その時の食味を思い描きながら散会したのは午後2時半でした。

「試食会」小麦感謝祭~はるゆたかを食べようパーティ

生活クラブ生協 上野 千賀子

試食会10月17日初雪そうその日は初雪の降る寒~い日だったのです。 小麦を収穫した日は灼熱の一日だったのに。 でもそれは素敵な秋の一日の演出になったようで、 参加された皆さんは頭やコートをぬらしつつも、 ちょっとおしゃれをして、 会場のレストラン 「ブレヴェール」 へやって来ました。
参加者52人中1人の欠席もなく、 感謝祭は食の自給ネット代表の松下さんの挨拶で始まり、 北海道の小麦の話や私たちの小麦を美味しいパンに焼き上げてくれたシロクマ北海食品の荒川さんのお話を聞いたあと、 北見で 「フレックス」 というスーパーを経営している川崎さんの乾杯で食事が始まりました。 川崎さんはなんとその日北見から駆け付けてくれたのです。 川崎さんは北見を始めオホーツク地域で色々活躍されている方で、 私たちの会に注目し、 会員になってくれました。 自給ネットの輪が北海道の中に少しずつ広がって行くようで、 うれしいですね。
食事は主役のパン、 地場で取れた野菜中心の料理、 ワインやパスタ、 これが全部北海道でとれた物なのです。 日本の食卓にのぼる食材の約40%しか国産でないと言われているなか、 なんと贅沢な食事でしょう。 それも全部道産なんて。 なんていうんでしょうか、 安心と暖かさ、 いとおしさ (ちょっとオーバーかな) というか、 とにかくおいしかったです。 シェフの腕前と食材の良さ。 みなさんおなかがきつくて苦しいと言いつつも出てくるお料理は全部見事にたいらげ、 殆ど初めて会う人ばかりだったのに、 和気あいあいとおしゃべりに花が咲き、 楽しい時間を過ごしました。 食事の後は小麦の種まきに参加した中田さんと、 収穫に参加した田中さん、 佐藤さんに作業体験のお話をして頂き、 きつかった収穫作業だったからこそこのパンがうれしく、 誰にもあげたくない!などの感想に、 皆さんはにこにこして聞いていました。 会場には種まきから収穫までの写真が展示され、 畑の持ち主である厚田村の長さんが出席できなかったので、 事務局の渡辺さんから表をもとに収穫までの説明がありました。
そしてこの日最後のお楽しみ、 食の自給ネットならではの野菜ビンゴ大会をしました。 農作物で北海道が全国一収穫されている物を中心に、 自分で書くビンゴなのです。 これが楽しくて勉強になるというすぐれもので、 会場は多いに盛り上がりました。
帰りには道産品を詰め合わせたビンゴの景品と、 食べきれなかったパンを皆で分け合って持ち、 外は寒いけれどほかほかした暖かい気持ちでみなさん帰られたのではと思います。 と勝手に思っているのですが、 主催した自分たちが一番楽しんだのかもしれません。

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